かののゲームにっき

ネットのすみっこで遊んでます。

「ドキドキ文芸部プラス!」クリア感想

ddlc.plus

ドキドキ文芸部プラス!(Doki Doki Literature Club Plus!)
(Team Salvato、PLAYISM)
プレイした機種:Nintendo Switch

 

すごく有名で評判もいいから気にはなるけどホラーがすごく苦手、でも気になる……を何回も繰り返していましたが、ホラーゲームの配信などを見る機会も増えて昔より耐性がついてきたので、ネタバレを踏む前に体験しよう!と思い立ったタイトルです。結果としては大正解でした。


プレイ時間は約4時間半、初回は何も見ずに自分の好きなようにプレイして、2回目は攻略サイト等に頼って真エンド?を見ています。それでもまだ未回収の要素がたくさんある状態での感想なので、見当はずれなことを言っているかもしれません。あくまで個人のメモ兼感想なので甘く見てほしい。

事前情報やネタバレは極力踏まないようにはしていたけど、それでも薄っすら知っていたのは
・精神的に怖いゲーム
・モニカというキャラに何かがある
という2点です。

怖いやつやるぞ!と身構えてプレイしたのですが、それでも最近自分でやったり配信を見たりしたゲームの中で一二を争うぐらいに怖かった……
以下の感想は何もかもネタバレ。

 

 

まずこれは自分の環境の問題なのか、それともゲーム自体の仕様なのかは分かりませんが、初回プレイ時にサヨリの第一声でフリーズ→そのままゲーム自体のエラー落ちが発生したのでめちゃくちゃに焦りました。そこから本体ごと再起動してゲームを立ち上げ直したら、PCっぽい画面構成が出てきたので余計に焦った。調べても同じようなパターンは見かけなかったので単純に運が悪かったんだと思いますが、この時点でだいぶ怖くなってしまいました。


本筋とは直接関係ありませんが、ゲーム自体がすごく自然に日本の学園もの恋愛ゲームとして設計されているのには感動。
ちょっと無気力な主人公の俺=プレイヤーが明るくて元気な幼馴染のサヨリに誘われて文芸部の見学に行ったら、可愛い女の子たちに囲まれて大変!これからの学園生活どうなるんだ〜!?というノリで始まりますが、そもそも起動時やソフト自体の注意書きで絶対そんなゲームじゃないんだろうなというのは察せられます。


それでも最初から可愛い女の子たちが主人公に好意を向けてくれて、日によって色んなイベントを見ることができるのはやっぱり楽しい。たまに主人公を巡ってバチギスし始めたりもするのですが、それでも暫くは平和そうなラブコメっぽいシーンが続きます。
この時点でもモニカが時折不穏というかメタっぽい発言をすることがあるのですが、まだそういうネタ演出なのかな?と思える程度ではありました。
それがサヨリの告白から急にがらっと雰囲気を変えて、文化祭に向けた冊子の詩で更に精神を揺さぶってきて、戸惑っているうちにやってくるあの初回エンディングでガチの悲鳴が出ました。
タイトル画面もここからおかしくなっていって、2周目を始めるといよいよ加速していくホラー演出。バグった画面表示に存在自体が消えたキャラやセーブデータ、言動がおかしくなっていくキャラ。


サヨリの〇〇シーン辺りからこれゲームのシステム自体に介入してくるタイプのシナリオだな!?というのは察せたんですが、分かっていても1周目で見たはずの世界がどんどんおかしくなっていくのは精神的に来るものがありました。それをやっているのが恐らくモニカだな、というのも同じように察せるのですが、ゲームをプレイしている中ではそれに対抗する方法も思いつかず……個人的に1周目でユリが可愛いな~と思ってお気に入りのキャラになっていたので、2周目の最後でまた悲鳴を上げる羽目になりました。このシーンでバックログ開くと文章が全く違うものになっているのも怖い。


これを終えての3周目でいよいよ種明かしというか、ゲームが色々な意味で「壊れた」原因がモニカから語られるんですが、ここで「ゲーム内で主人公につけた名前」じゃなく「ゲーム機のアカウントにつけている名前」を呼ばれるのがすごい。モニカは主人公じゃなくてこちらを見ている。
モニカ以外の女の子たちが「恋に落ちるように設計された人格」と形容されるのが、序盤からの好感度マックス&主人公を巡ってバチバチするまでの速さを納得させてきます。ここに辿り着くともうセーブもできず、ゲーム自体を再起動してもまたモニカと二人きりの世界に戻ってくる。ここから更にゲームを進めるための手順に気づくまで少しかかってしまったのですが、分かったときのすっきり感はすごかったです。
ここまではモニカのことをいわゆるヤンデレというようなキャラとして捉えていましたが、最後まで見るとその形容も少し違うなと……。4周目の展開も含めて本当に「こちら」のことを好いてくれているというのが伝わってくるシナリオだったと思います。
Just Monika.

 

一番印象に残っているのはモニカなのですが、彼女以外のキャラクターも周回するごとに違う一面が見えて、その辺りの作りがすごく「ゲームだからこそ」というのを感じられました。
個人的にツンデレ系のキャラに苦手意識を抱きがちで、そういう意味で最初はナツキに身構えていたのですが、結果的に一番いい子だと感じたのも彼女。父親や家庭環境に何かあるのかな、と察せるテキストもいくつかあったので、この辺りは未回収の要素を読めば更に分かるのかなと。

 

キャラクターがゲーム自体に介入してくるのも、それを受けてプレイヤーが取れる行動もすごくメタ的で、本当はPC版でプレイするのが一番良いんだろうなと感じました。プレイ中にふとセーブしてゲーム内のホーム画面に戻ると、知らないファイルがしれっと増えてたりもする。
Switch版でも疑似的にPCのようなシステムが用意されていましたが、ファイルを弄ったりする操作の点ではやっぱり実際に触るのが一番だろうと思うので……。
でも前述のファイル追加とかはウイルス対策ソフトに弾かれたりしそうな気もしますね
Switchの携帯モードだと文字が小さいのもちょっと辛かった。
プラスじゃないバージョンは現在でも無料でプレイできるようなので、そちらも触ってみたいと思います。まだまだ回収できていない要素もありそうなので……!