「NEEDY GIRL OVERDOSE」クリア感想 - かののゲームにっき

今年の初めごろに発売されたこのゲーム、数か月前にクリアしていました。

発売前からインパクトの強い設定で気になっていたゲームではあったのですが、好きな配信者さんがプレイされていたのをきっかけに購入。エンディングを全てコンプリートするまで頑張って、結果として感情をぐちゃぐちゃにされました。すごいゲームだ。
真面目なレビューはもうたくさんの方が書かれていらっしゃるので、ここでは本当にふわっとした感想を書きます。

以下ネタバレにつき折り畳み

公式の紹介にもある通り、このゲームはちょっと承認欲求が強い美少女の「あめちゃん」を超有名配信者にするため、プレイヤーは彼女の「ピ」になって、あめちゃんを最強のインターネットエンジェルにするため一緒にがんばるというのが大筋です。

ピンクが主体のPCデスクトップを模した操作画面や、作中のBGMはどれもすごく素敵です。起動画面も昔のWindowsをオマージュしたデザインで可愛い。この可愛さの中に地獄が積み上げられていくわけですが……。

自分はもともとゲーム実況・配信者が好きで、ある程度インターネットミームや昔ながらのネット文化・オタ系の文化を知っているという人間なので、作中の元ネタが分かってああー！となる部分が非常に多かったです。逆に言うとその辺りの知識があまりないと分かりにくい部分があるかも？でもそういう人はそもそもこのゲームに手を出さない気もする。

もうちょっと具体的なゲーム内容を言うと、30日という限定された期間にフォロワー100万人の超有名配信者になるため、ストレスややみ度といったステータスを管理しながらあめちゃんに行動を指示していくことになります。あめちゃんはちょっとだけワガママなので、たまに勝手に行動してこちらの予定をぶっ壊してくれることも。

そのランダム性や慣れるまでのステ管理の難しさ、そして複数用意されているエンディングのこともあり、プレイヤーは何回もこの30日を繰り返すことになります。

これが本当に上手くできてるというか……最初はあめちゃんを幸せにするために頑張っていたはずなのに、なかなか狙い通りにいかない状況や時々出てくる予想を裏切るようなエンディングを見ていると、少しずつ作業感が出てくるんですよ。そうなると、最初はあめちゃんを幸せにしたくて始めたはずなのに、エンディングを集めよう、違うルートを模索しようとする中で、あめちゃんに破滅への道を歩ませることへの躊躇がなくなっていく。

別のエンディングを見るため、実績を埋めるため、って考えながらプレイを繰り返しているうちに、超有名配信者になるはずだったあめちゃんが何回もぼろぼろになっていくの、すごい作りだな……って今振り返っても思います。それでもフルコンプまでやってしまうプレイヤーの業。

そうやってたまにこっちのメンタルも抉れたりしながら最後に迎えたエンドで呆然としました。ゲームをクリアしてあんな虚脱感を覚えたの、たぶん初めてだったと思う。個人的には決してハッピーな終わり方ではなかったですが、それでもそこまでのプレイで感じていたいろいろなものが解けて「そうだったんだ」と思わされる内容でした。やっていて一番キツかったエンドは「INTERNET OVERDOSE」です。二度と見返したくない。
これ以外にも精神的にきつかったり、共感性の高い人にはしんどいだろうなという描写がたくさんあるので、ゲーム起動時に出てくる注意書きは本当に大切。

逆に言うと公式の紹介などを読んで惹かれる人なら、確実に心に残るゲームになるんではないでしょうか。

Switch版の発売も決まっているので、今後あめちゃんのピになる人も増えていくのかなと思いますが、プレイするならぜひネタバレを踏まないままで全てのエンディングを回収していってほしいなと思います。あめちゃんのことを見続けた果てであの感覚を味わってほしい。
決して万人におすすめできるゲームではないですが、個人的にはすごく心に残った1本になりました。もう1回全部のエンディングを見返したいかと言われたら難しいけどね！それでも自分はあめちゃんのTwitterをフォローして、Switch版も予約しているので、また彼女のピになるんだろうなと思います。